2016年2月読書のまとめ
2016年2月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1246ページ
ナイス数:46ナイス
嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えの感想
職場でも話題になっていてやっと読んだ本。アドラー心理学の考え方を説く哲人と、それに懐疑的な若者の対話形式で進む。自己啓発本はすべて胡散くさいと思ってしまう自分でも、この本に書かれていることにはことごとく納得できた。特に「課題の分離」という考え方には目からウロコ。今まで、悩む必要のない他人の人生にどれだけ悩んできたかがよくわかった。こんなにも素直に、自分自身の不平不満を自己の責任と捉えることができたのは子の本のおかげ。自分のライフスタイルは自分で選ぶ。読んでよかったです。
読了日:2月10日 著者:岸見一郎,古賀史健
異類婚姻譚の感想
現実ではありえない展開で、結婚の怖さ気持ち悪さを感じる本ではあるんだけど、なんだろう、「何か特別な異世界の話」という感じはしなくて、誰にでも起こりうる、誰の日常にもひっそり忍んでくる「いつのまにか」の物語だと思いました。10年間専業主婦をやって、そのなんとも言えない息苦しさは経験済みなので、頭ではなく感覚で共感できる部分がたくさんあった。今は仕事をしてますが、もう二度と専業主婦には戻りたくないです。個人的には仕事辞めたくなった時に読みたい本。表題作以外の作品も不思議で好き。
読了日:2月23日 著者:本谷有希子
殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件の感想
清水さんの桶川の本を読んでものすごい衝撃を受けた記憶。この本もまたすごかった。犯罪のDNA鑑定とは恐ろしいものだなと思いました。複数の目撃証言や遺族の証言などより、一度出てしまったDNAの結果でここまで真実が捻じ曲げられ、またそれを隠蔽するために警察や司法がここまでするのか、と驚愕。清水さんの徹底的な取材力と、自分の面子のためでなく、また社会的な思想や主張のためでなく、ただただ亡くなった幼い子どもたちのために真実を白日のもとに晒したい、という気持ちだけで書かれている。その引力に胸を打たれました。
読了日:2月24日 著者:清水潔
事故物件に住んでみた!の感想
著者の「ジャーナリストとして名をあげたい」という自己顕示がちょいちょい引っかかったけど、事故物件に住むとはどういうことか、を、物件を探して引っ越して住み続けるまで、実際に何が起こるかを中心に書いた本で、興味深かったです。心霊的な話はほとんどないので、読んで怖がりたい人には不向き。最後の実際の物件の章は、江東区の物件以外は「THE事故物件」というものはなく、もっと他の物件について書いてほしかった。
読了日:2月25日 著者:森史之助
葬送の仕事師たちの感想
井上さんの飛田の本を読んでいたく感銘を受け、この方の本なら間違いないと思って読みました。期待通りの徹底的な取材で、葬送の仕事がどのようなものか、くっきり輪郭が分かる本でした。誰にでも必ず訪れる「死」。葬送に関わる方々がどんな思いでその仕事と向き合っているのか、読めてよかったです。自死した方に対して「あなたをなんとかしてさしあげたいと思う僕みたいなのもいる。(死ぬ前に)ちょっとヨコを見ることができたら、一人じゃないんだって思えて踏みとどまれると思う」という復元師の言葉が印象に残りました。
読了日:2月28日 著者:井上理津子
読書メーター