2014年6月の読書
未解決事件を集めた本を1冊読んだのだけど、詳細書き留めるの忘れたまま図書館に返してしまいました。
コンパクトにまとまってて読みやすかったのだが。
- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2014/01/24
- メディア: Kindle版
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6/13読了。
映画がとてもよかったので、原作も。
勇気くんがいかにも染谷くんにピッタリだったのだな、と改めて思った。
いや、染谷くんが完璧な勇気くんを再現してたのか。
どっちにしても、この愛すべき素直な現代青年の山での出来事を追体験できるのは至福のひとときであった。
映画もそうだったけど、匂いや空気の温度まで伝わってくる不思議。
無性に山に行きたくなった。「夜話」も予約中。
- 作者: 井上理津子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/10/22
- メディア: 単行本
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6/17読了。
ものすごく後を引く読書だった。
今も存在する遊郭、飛田。
実は若かりし頃、一度ひやかしで通ったことがある。その時の光景は頭にこびりついてなかなか離れなかった。
現実、だった。
著者の執念的とも言える取材姿勢に感服いたしました。友人に面接を受けさせる下りなど、その覚悟に「なんと男前!」と(笑)。
また、そうやって10年以上惹き付けられ、知りたいと思う何かが、この街にあることは心の底から共感しました。
自分とは違う世界の、でも確実に地続きの日本の一地域として、飛田が確かに存在し、今も機能していることを間近に感じることができました。
気になって著者さんの近影を検索してしまいました。かっこいい姐さんでした。
この本を読んだ経験は、この先何年も残りそうだ。
- 作者: 野田秀樹
- 出版社/メーカー: 而立書房
- 発売日: 1984/01
- メディア: 単行本
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6/20読了。
9月の涼くん舞台の戯曲本を予習。
全体のストーリーというかなんというかはよく分からないんだけど、言葉のリフレインや「輪っか」の繋がりの心地よさに一気読み。
どんな舞台になるのか、楽しみ。
- 作者: 伊藤三巳華
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2012/08/24
- メディア: 単行本
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6/22読了。
読んだのは2巻と3巻。1巻は図書館で貸し出し中で読めてない。
最初にホラー少女の娘が読んで、「全然怖くないよ、面白いよ」と薦めてもらったのがキッカケですが、
ごめん・・・・ママこの漫画怖いよ・・・
なんでかっていうと、ちょっと分かる部分があるから(||゚Д゚)
わたしの場合、「視える」んじゃなくて「聞こえる」んですけどね。
これまでの数々の経験は、気のせいではなかった・・・という恐怖の発見をすることになりました。
いや、でもそれらとの付き合い方も教えてくれてますし、続きも読みたいです。
もちろん1巻も。
- 作者: 井上荒野
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2014/02/06
- メディア: 文庫
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6/22読了。
あっという間に読み終わった。
ごく普通の(あるいは普通に見える)主婦が、ストーカーになっていく様を、それぞれの視点から描いています。
こんな小さな「偶然」が、その人の中にあるドロドロの実の部分をあっという間に引き出して、あれよあれよという間に立派な気持ち悪いストーカーに転落していく様子が生々しかった。
印象に残ったのは、主人公が学生時代に電車から見かけた、お城のような白い家を引き寄せられるように見に行くエピソード。その感じがなぜか懐かしかったです。
妻と夫のすれ違いのどうしようもなさとか、それでも家族を続けていかなければならない一見不条理にも思える日常が怖かった。怖くて面白かったです。ラストがこれまた怖い。読みやすくておすすめ。
- 作者: 湊かなえ
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2013/01/04
- メディア: 文庫
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6/24読了。
途中まですごく引き込まれたんですけど、最後がちょっと納得行かなかったなあ…。
逃げ回ってた啓介が急に立ち上がったとことか、さと子の変わり身の早さも、きちんと裏を読み取れなかったかもしれない。もっと罰を与えてほしかったと思うわたしは、ひん曲がった人間ですねそうですねw
壮絶な親子バトルの描写はさすがでした。表面上は分からなくても色々抱えてる家族がいて、こんなにめちゃくちゃになっても、それでも続けていかなければならないってとこは「だれかの木琴」と同じでした。つまり、そういうもんなのでしょうね。
- 作者: 辻村深月
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/05/22
- メディア: 単行本
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6/28読了。
怖かったー!!!!
初の辻村さん。デコラティブでなく大変読みやすい文体なのは、実は自分好みじゃないんだけど。
ときどきドキッとするような切り捨てる表現があったり、気付いたら虜になってました。
大学生の女の子二人の、文字通り「恋と友情」が、2本の短編のように並べられてるんだけど、その二つは同じ時系列を辿り、そこここで密接に絡みあって、、、結末は「ギャー!!!」(笑)
いや、特にグロいとか衝撃的すぎるとかではないんだけど、体が芯から震えた…なんていうか、「分かる」から。
リアルとは違うんだけど、身に迫ってくるものがある「女の自意識」。自分の中にもあるから、こんなに震えたんだろうな…。辻村さん、すごい作家さんだ。
- 作者: 辻村深月
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/05/16
- メディア: ハードカバー
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6/29読了。
「盲目的な恋と友情」で辻村ショックに撃たれた勢いで、引き続き辻村さん。
自分で思う自分と、他人から見る自分、その小さなズレを、サラッと、でも絶望的に描くのが上手い作家さんですね。それが怖くてどうしようもなくて好き。
短編集ですが、どれも怖かった。どれも淡々とした筆致で、出て来る固有名詞もかわいらしいものが多いのに、どうしてこんなに怖いのか。「石蕗南地区の放火」など、最後の主人公の突き落とされ方が怖くて怖くて。
ホラー好きなわたしの、いつも愛でている怖さとは全然違う新鮮な怖さです。
全然怖くない、と思う人もたくさんいるんだろう(その事実がまた怖い)
どれも読み応えあった。辻村読書はまだまだ続く。
WOWOWでドラマ化されてたのだが、観てない。観たい。
キャッチコピーが「経験したことのない、身に覚えのある話。」
あー、まさにそれだ。
以上、6月の読書。