cinemananakoの日記

映画と芝居と本とアイドル好きな酒飲みおばはんの日記

「小指の思い出」千秋楽観てきました。

「小指の思い出」千秋楽、観て来ました。

いや〜、ホントにお疲れさまでしたーー!!!!

それしかない!

観る方も相当消耗しましたけど、あの舞台を作ってる人たちは本当に大変だったと思う。
心の底から、お疲れさまでした。

5回も観ておいて、作品の内容を消化するのに必死で、いつもなら一番最初に書く役者さんに対する感想をちゃんと書けてないことに気付いた。

そういう意味でも、全体として非常に濃い観劇経験でした。
脚本を始め、他の要素があまりに濃すぎて、涼くんを見る余裕があまりなかったというか…。

でも、終わってみればよい思い出。
よい勉強になりました。

千秋楽は、ハプニングがありました。

大東亜文化圏創造社のところで、飴屋さんが車に自転車当てるときに、タイミングがズレたのか、いつもより前方に当たってしまい、前輪が壊れたΣ(; ゚Д゚)

ここから、自転車でこぎ始めなきゃいけないシーンなのに、なかなか自転車がスタンバイできない…(わたしが見た回は、どれも飴屋さんが自転車の状態をチェックしてからのスタートになってたのですが)

もうビックリ…というか動転しましたわ〜。

ああああハプニングや〜、これは「ガラスの仮面」で、赤ちゃん人形の首抜けたシーン*1か、泥まんじゅうシーン*2に匹敵する一大ハプニングや〜〜〜どうするマヤ!!!!!

……と、脳内で白熱の1人ガラ仮が展開されるくらいには動転したw

なかなか自転車がスタンバらなかったけど、Show must go on.(featuring 「Endless SHOCK」)
お芝居を次に動かすには、涼くんがセリフ続けるしかないすよね〜。
まあもちろん、舞台上では誰1人動転してる人はおらず、1人客席で動転しつづけるワタシ…
(初見じゃない人はみんなドキドキだよね)


しかし、この後は青柳さんがハムスターみたいに自転車でぐるぐる回りながらセリフを言うシーン。

どーする!!どーするマヤ!!(違)

早く「おらあトキだ!」を…(だから違うってばwww)

…と一人で盛り上がってたら、青柳さん、壊れた自転車にまたがって、カックンカックンしながら、とりあえずぐるぐる回って、いつも通りセリフをおっしゃってました。

しかし、青柳さんのあの細い腕の力だけで、あの回数回らなきゃならん上に、あのシーンほぼ青柳さんしゃべりっぱなしですから、さすがに最後は息が切れたようになってた。
本当にお疲れさまでした。*3

ぐるぐるが終わって、上手から車が出て来て、舞台奥に勢いよくす〜っと捌けるところもカックンカックンと捌けていきました。*4

その後は滞りなく舞台が進んでいきましたが、当たり屋専門学校のとこの、涼くんと山中さんの「よっしゃーー!!」が過去最高のテンションでした。

あとは、乾物屋のおかみさんも最高潮に怖かった…。
首絞めシーンもいつにもなく激しくて、終わったあと飴屋さんホントに死んだかと思って、思わず胸の上下で呼吸を確認してしまいましたw
凄まじかったね。

涼くんの最後のセリフは、強めだったり優しめだったり、色んなパターンがあったけど、千秋楽は優しげバージョンでした。

今回は、スピーカーの近くだったせいもあってか*5、「セリフが聞き取りにくい」現象がわたしにも感じられました。
ヘッドマイクの拾う音が大きすぎて、専門学校のホイッスルなどは、ほとんど割れてしまいそうなほどでした。

あのヘッドマイクが必要だったのか?という点は、いろいろな人が書いているようですが、たまたま柿喰う客の俳優さんお二人*6が、「小指の思い出」の感想として、「生の声で聞きたかった」というような趣旨のツイートをされているのを見かけて、「うむ」と思ったのですよ。

あのマイクがなぜ必要だったのか、それは素人のわたしにはもちろん分かりっこないんだけど、恐らくこの舞台における「生演奏」の比重に関係するものなのではないかなー、とぼんやり思っています。

ぼんやりと言えば、今回の音楽は、実はかなり好きになりました。
いや、もともとこういうぼんやりした(ぼんやりと聞きたい)音楽もたしなみますし、嫌いじゃないです。
サントラは劇場でしか買えなかったようなのですが、あえて買わなかった(散財防止のため)ことを今だいぶ後悔してます。

とりあえず青葉さんのアルバムを聞いてみようかな、と思います。

最後の舞台上での整列でも、真ん中に音楽家の方が来るくらいですから、やはりミュージックとしての存在意義が大きかった舞台なのでしょう。

千秋楽は、カーテンコールがありました。
よかったです。

1度目のカテコで出て来た後、舞台袖に捌けて行く時、涼くんが泣いているのが見えました。
捌けながら、「うっ」とこみ上げたような感じでした。
背中を丸めて、手を握って目元に当てていました。

ひゃ〜、泣いてるよ〜…
いろんな思いがあったんだろうな〜。
涙の本当のワケはこちら側には分からないけど、きっと大変だったんだろうな〜、と思いました。

ホントにお疲れさまでした。

昨日はまっちげさんもちょっとうるっとしてましたね。

大変なチャレンジだったと思います。
そのチャレンジの部分に対して、わたしも惜しみない拍手を送りました。

ここまで賛否両論がパッキリ分かれた舞台を観たのは、個人的にも初めてでした。

個人的な好みの部分を全部抜いたところで「否」の理由をひとつ言うすると、

・東京都の主導する文化プロジェクトで、幅広く色々な人に見てほしいと思われるのに、ここまで閉鎖的な舞台である必要があったか

というところが一番の不満です。

難解でもいいんですよ。
現代美術展のインスタレーションのような、意味が分からないけど心をとらえて離さないものは、わたしも大好きです。
敢えて難解な芸術を選んだのだ、というのなら、それも分かります。

でも、それならもう少し短くてもよかった気が…。
それと、笑いが少なすぎた。

周りのお客さんがこんなに寝てる舞台も、初めてでした。

ただひたすら、もったいなかった。

わたしは何度も観て、やっとこの舞台の魅力を感じることができたけれど、1回目(だけ)の人にも、もう少し歩み寄った舞台にしてもらったらもっとよかったのに、と思いました。

色々と難しいのでしょうけど。

1回だけで「素晴らしい」と言えちゃう人は、わたしには仙人にしか見えない…。
すごいですね。

*1:「ほんに子守りも楽じゃねえ〜」のとこね。

*2:「おらあトキだ!!!」のとこねww

*3:疾走しながらの「ピーッと言う発信音のあとに…」が好きだったので、最後にあの感じで聞きたかった。

*4:昨日が初見の方に聞いたら「ああいう演出だと思ってた」とのことです。たまたまクドカンが今号の文春コラムにこの現象について書いてました。そんなクドカンがこの日劇場におりました。なんたる偶然!

*5:あとは今回のチケットの中でいちばんの後方席だったせいもあるかも

*6:玉置玲央さんと永島敬三さん。永島さんはただいまますだくん舞台に出演中