cinemananakoの日記

映画と芝居と本とアイドル好きな酒飲みおばはんの日記

「紙の月」「光」「督促OL修行日記」「豆の上で眠る」

紙の月

紙の月

4/16(水)読了。

ドラマは見てなかった。見ればよかったかも。*1
「経済ですべてをコントロールすることができる」と勘違いしてる女…自分もちょっとそんな部分があるので、読んでて怖かった。
梨花と正文の夫婦のアレコレは、すごく分かる部分が多くて、色々と突き刺さった。
「たかがバイト」ってのは、わたしもよく言われる言葉だよ。
男の人って、「自分が養ってやってる」って分からせたい意識が、どこかに必ずあるもんなのかねえ…。
で、妻の側も「わたしだって稼げる」って鼻息荒くなって、「どこまでを誰が払う」っていう、細かい領域争いみたいなのが日々勃発。
梨花みたいに大金が必要になる何かは、わたしにはないけど、もしそういう存在があったら、自分だって分からないよ…って気持ちになりました。*2
…っつっても、そもそも性格から言って、銀行・金融関連の仕事にはまったく縁がないので、横領できる金もないけどw
角田さんはやっぱり怖いなー。怖くてすごく引き込まれる。
映画は観てみようと思う。

光 (集英社文庫)

光 (集英社文庫)

4/23(水)読了。

ものすごくイヤな小説だった。
気持ち悪い話、後味悪い話、何かが引っかかる話は大好きなわたしだけど、この小説はなんだかとても本格的にイヤだった。
あったかいと思って抱き寄せた動物が、実は冷たかった、みたいな。
三浦さんがこんな小説を書くんだ…っていうのも衝撃。
読み終えるまでに時間がかかってしまった。
でも、最後まで読まないと、本格的にイヤな気持ちだけが残ると思って、がんばって最後まで読みました。何も救われなかったけど、読み終えてホッとしてる。

督促OL 修行日記

督促OL 修行日記

4/27(日)読了。

ライトエッセイ。
カード会社の督促コールセンターで働くOLさんが書いた本。
わたしも客商売で、怒鳴ったりすごんだりするお客さんの対応をすることもあるので、実務的にとても参考になった。
お客さんに怒鳴られると、ほんとに凹むんですよ…たとえこちらが全面的に悪かったとしても、というか、むしろこちらが悪いと分かっていればいるほど、落ち込みます。
そんな時の心の持ちようを学ぶと同時に、著者が先輩から伝授されたという数々の仕事法(というか、考え方)が非常に参考になった。
軽い気持ちで面白く読んでいたら、最後の数ページの思いがけないお仕事讃歌に、思わず目頭が熱くなりました。明日からも仕事がんばろーと思えた1冊。



豆の上で眠る

豆の上で眠る

4/30(水)読了。

湊さんの小説には好き嫌いがあって、すごく面白い!と感じるものと、さらっと流されて終わってしまったと感じるものと。
今回は前者。
独白方式なのだけど、描写が単調じゃなく、引き込まれました。
女性のイヤな部分を描くのが得意な作家さん、と思っていましたが、それだけじゃないんだな、と今回初めて思ったかも。
ミステリーはミステリーなので、詳しくは書けないけど、最後は無限ループに入ってしまうような終わり方で、余韻が残った。

*1:内容がウツっぽいのかと思って見てなかった。いや、確かに暗くなる内容だけども。

*2:おたく事があってよかった!と心底思った。まあ、そっちもほどほどに、が大事だけど。