cinemananakoの日記

映画と芝居と本とアイドル好きな酒飲みおばはんの日記

「万獣こわい」@パルコ劇場

観て来ました。

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初・ねずみの三銃士でしたし、予備知識もほとんど入れないで行った*1ので、ある意味衝撃でした!

うーん、面白かった、楽しかった、すごかった、、、、そういう感想はいくらでも出るけど、それだけで片付けてしまっていいのか…と悩みたくなるような、強烈な舞台でした。

いや、でも一言で言うと「面白かった」になっちゃうんですけどね。

ネタバレありの感想は下から。


今回ね〜、親友B子のおかげで、最前列だったんですよ〜。
パルコでの席運は結構いい方なんですけど、さすがに最前列は初めてで。

2列目が空いてたので、なるし妖怪に「怖いー!!!2列目に空席怖いー!!」とバシバシ叩かれてました(席が)w

全体的には、「笑い」と「鳥肌」と「ドン引き」で構成された舞台でした。
ただ笑えるだけではなく、ただ怖いだけではなく、ただビクついただけではない、なんか特別な何か。

その真ん中にしっかり通ってる芯が、「超」一流の舞台人のお三方ですから、なんだか鬼気迫る才能のギラつきみたいなもんと、すでに老熟に達した崇高な職人技の絶妙なブレンドで、最初から最後までゾクゾクさせられっぱなし。

絡む女優陣2人がね〜、これがまた素晴らしすぎたから!
栄子ちゃんは相変わらず美しく、鉄の喉を持ち、エロくてぶっ飛んでたし、夏帆ちゃんは、このままじゃ終わらないでしょ!という期待を一切裏切らず、どんどん狂気に走っていく暴走っぷりがサイコーでした。

クドウさん、この本書く前に「みんな!エスパーだよ!」観たよね、きっと。
夏帆ちゃんのこういう面を引き出せるのは、あの美由紀ちゃんを観たからに違いない!!と、勝手に決めつけてますがw

怖いわ〜怖いわ〜!!可憐な制服姿のかわい子ちゃんが、ネギ持って「はい、ミーティングゥ〜〜!!」って入ってくると、無条件にビクッとなりましたw
うん、一緒に洗脳されてたのかもしれない。舞台の登場人物たちと同じように。

どこかで聞いたような*2実際の家族監禁皆殺し事件を思い起こさせる設定と、そんな実際の事件のことを考えるときに「どうして逃げられなかったのかしらん」とのんきに思ってた自分が、あっさりと「はい、ごめんなさい」したくなるような、「逃げられない状況」の描写が凄まじくて、なのになんでかゲラゲラ笑ってしまうという空恐ろしいことに。

だって実際おっかしいんです。
ロールケーキ落としてオロオロする古田さんとか、「そうかい」しか言わない生瀬さんとか、耳栓がとんがりコーンな成志さんとか。

おっかしくて、面白くて仕方ないんだけど、「ひー、もうやめてー!!」って心の中で恐怖で叫んでる自分もいました。

クドカンって、バカロックもそうだし、他の作品でも往々にしてそうだと思うんだけど、基本的に「ネクラ」だよね。
すごく悲観的だし、ゲラゲラ笑わされてる中にも、ひょっとナイフみたいな尖ったもんが潜んでるから、「あ〜、面白かった」だけで終わらない。
わたしがこれまでに観たクドカン作の中でも、今回は特にそれが顕著で、それは、3人の偉大な舞台俳優の手に委ねられる作品だったから、というのも大きいのかな?

芝居が終わった後の、古田さん、生瀬さん、成志さんの、仕事をやりきった大人の、厳しくも真面目な表情に、「なんだかすごいものを観たけど、これは絶対観てよかったやつだ」と心から思える何かがあった。

できるならもう一回くらい観たかったけど*3、今回はこれでおしまい。
オープニングの寄席のセリフと、劇中での3人のセリフがループするとことか、「終」の字の上にでっかく×を書くシーンとか、忘れられないシーンがたくさんあった。

忘れちゃいけない小松さんも、すんばらしかったです!w

大人の、大人による、大人のためのお下劣舞台も楽しいものですね。

また次回作があったら、絶対観に行こうと思いました。ねずみの三銃士。

カーテンコールの成志さんの谷間に釘付けw

*1:バカロック公演中に、クドカンが楽屋で書いてたことくらい

*2:恐ろしいことに、しかも複数

*3:これはいつもそうだけど