cinemananakoの日記

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専業主婦脱出記(2) 仕事、始めてみたら大パニック!

前回は、採用通知をもらうとこまで書きましたので、その続きです。

スケジュール調整という名の戦いが始まる

採用されて、まずはとりあえず「研修」を受けることになりました。
うちの職場の場合、特にこの「研修」の期間が長かったので、普通の職場とはちょっと違うかもしれませんが。
「研修」ということは、先生や他の受講者のスケジュール、受け入れ先のスケジュールが優先になり、いくつかの日にちと時間帯から、都合のいいところに登録していく、という形だったのですが。

じっ、時間が…ことごとく合わねえええっ/(^o^)\

もともと、子どもが学校行ってる時間に合わせてシフト希望時間を出していて、そこの時間帯に家を空けることは覚悟してたものの、そこからちょっとはみ出ると「どうする…」ってなってしまってた。
当時、娘は小4だったので、長時間(つっても2〜3時間だけど)一人で留守番させるのは個人的にはとても不安だったから、希望の研修枠を申請しても、そこが満員だったときにとても困りました。

夫も、今では全面的に協力してくれてますが、当時はまだまだ妻が働くことに慣れてなくて、わたしが「すみません。ホントすみません」とコメツキバッタのようにヘコヘコしながら、夫に協力してもらってなんとかやってた。
(1)にも書きましたが、実家の両親も夫の両親も、ドライに孫を預かれる状態じゃなかった*1ので、頼れるのは夫のみ。
ママ友付き合いも、そこまで濃密にしてこなかったから、近所のママにお願いするのも気が引けて。
それでも何度かお世話になりましたが。

新しい環境

研修も、久々のオフィス、久々の社会人としての常識。なにもかもが久々。
久々すぎて、楽しいのと緊張するのとで、おかしなハイテンションでわけわからないことになってた。

それまでは、日常的に会話する相手が、「家族」「ママ友」「学校や習い事の先生」にほぼ限られていたのが、「上司にあたる人」「同僚にあたる人(しかも、かなりの確率で自分よりだいぶ年下の若い子たち)」と話す機会が一気に広がったわけです。

特に、夫や学校関連以外の男性と話すのは新鮮でしたねー。
同じく働く主婦だった母から、「旦那以外の男の人と話すことも必要だよ〜。日常的に接する男性が旦那だけじゃ世界が狭くなるからね〜」と、常々言われて育ったのもあり、確かに新鮮でしたし、自分の凝り固まった世界が広がった実感は強かったです。
今も、これで「オバサンっぽさ」からは等間隔の距離を保てるようになったと思う(その距離は限りなく近いですがw)

研修は、最初は座学や安全な研修センターでのシミュレーションで、そのうち実際の店舗に出て、現場にいる先輩方から直接指導を受ける段階に移りました。

これも、怖いくらい「先輩がほぼ全員年下」という状況で、レジを触るのもお金を扱うのも人生初だったわたしは、ずいぶんご迷惑をおかけしたと思います。20代なかばの「先輩」からしたら、物覚えが悪く、最近の流行も知らない、ただのトロいおばさんを教えるのは大変だったと思います。
自分も教える立場になって分かったんですけど、どんな失敗をやらかすか分からない新人さんのフォローにつくのって、ものすごく神経使うんですよね…その失敗を回収して、リカバーしていくのも地味に大変な作業ですし。

2年たった今思い返しても、この段階が本当に一番ツラくて、何度も「やめたい」と思いました。

何をやっても教えてもらった通りにできず、お客さんには舌打ちされ、先輩方にはイヤミを言われ、現場研修での出勤がイヤでイヤで仕方なくて、「やっぱりムリだったんだ」と思ったり。
安全な家の中に籠っていた方がよかったんじゃないかって後悔しました。

それでもなんとか続けられたのは、同じように研修を受けてた新人仲間(ここもほぼ全員年下)の存在と、扱ってる商品(書籍)が好きだという思い、研修中でもほんの少し出るお給料の存在があったから。

どんなにツラい思いをしても、それでも10年ぶりに自分の力でもらうお給料というものには、かなり大きな意味がありました。
やっとまた自分で稼げる喜びは、どんな大変さも飛び越えてしまいました。

そのうち研修の終わりが見えてきて、「研修中」の札を取って、スタッフとしてお店に立つようになると、それまで頭の中でごちゃごちゃになっていた業務のやり方が、だんだんと、少しずつですが、自分のものになって行きました。
…というか、自分のものにして行かざるを得なかった。
売り場は日々、戦場ですから(大げさではなくて)、その場その場で、どんどん瞬発力をつけていくしか、生き残れる方法はなかったんですよねー。

どんなに未熟でも、「店の人」としてカウンターに立つと、お客様には即戦力とみなされ、色々な事案を経験するうちに、知らないうちにお客様に育てられていったような気がしてます。

とは言え、たくさん失敗もしました。
中には取り返しのつかない失敗もありました。
そのたびに、一緒に解決策を考えて、お客様に謝って、「この失敗を次に繋げていってくれたらいいよ」と言ってくれる先輩や上司の存在も大きかったです。
その点、本当に恵まれた職場だな、と改めて思います。

今こうやって書いていても、書店経験も、レジ打の経験すらなく、何もできなかった40近いおばさんを、よくもここまで育ててくれたよなあ、と感謝の気持ちでいっぱいです(笑)

研修が終わり、「子どもが学校に行っている間だけ」「夫が家にいる時だけ」というスケジュールでシフトに入れるようになり、生活のリズムもなんとなく出来て来ました。

それでも、業務面、生活面の両方できっちりリズムができるまで、研修期間も含めて1年以上かかりました。

1年経ってやっと「やめたい」という気持ちもなくなった(笑)
職場に行くのに毎朝ドキドキしていたのも、1年くらいでようやくおさまったかな…。

10年間のブランクは、やっぱり大きかったのですね。

さて、最後は「専業主婦脱出記(3) この先も続けるために」です。

続く。

*1:「孫は特別!とにかくかわいがりたい!好かれたい!」という状態であったのと、特に夫の両親は、うっすらとだけど「なにもお嫁さんが働かなくても」って気持ちがあったと思う。つか、今もある。