cinemananakoの日記

映画と芝居と本とアイドル好きな酒飲みおばはんの日記

シアターオーブで「鉈切り丸」を観る。

今日はこれ。

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キャストに惹かれて、だいぶ前にチケット押さえてはいたんだけど、最近のドタバタで、チケット手放そうかな…とギリギリまで考えてた演目。

結果的には、手放さなくて本当によかったです。
想像よりずーーーっとよかったので。
(客席にますだくんがいたのも幸せでしたし)

シェイクスピアの「リチャード三世」を、日本の鎌倉時代に当てはめたお話で、森田剛くんが堂々たる悪役っぷり。
言葉巧みに人の心に取り入り、「自分の名前を歴史に残す」ために、悪の限りをつくして、のし上がっていくお話でした。

好き嫌いはあるでしょうけど、この森田くんの極悪非道っぷりが怖いくらいに素晴らしくて、ジャニーズのアイドルがここまで…っていう今さらながらの感想はもちろん、「祈りと怪物」を観たときにも感じた「揺るぎない的確さ」みたいなものを、今回も感じました。

セットはさっすがお金かかってる。
幕の役目を果たすのは、生け垣みたいな木のわさわさ(これがわたしの言語能力の限界w)
その裏で、セットチェンジに次ぐセットチェンジ。
衣装も豪華だし、なにより役者さんの顔ぶれがすごすぎ!!

剛くん、若村さん、生瀬さん、いっけいさん、木村了くん、麻実れいさん、成海璃子ちゃん、秋山さん、山内さんに千葉さんに、河野さん、川原さん、村木さんの新感線組。
これだけの役者が揃ってて、面白くならないはずがない!そして実際面白かった。

鎌倉時代っつーことで「のりより」だの「よりとも」だの似たような名前の登場人物がゴロゴロ出てきて、ときどき混乱もしましたけど、根本的には「悪人の悲哀」が強烈に描き出されてて、胸にズシーンと来ました。

森田くんは非常によくがんばってました。
声や動きの作り方には好みがあるだろうし、「何もそこまで」と思う部分もあったんですけど、一切の共感や同情を請わない「悪役」作りが憎いくらいお上手で、だからこそ、最後のカタルシスで、一抹の共感が生まれたときの「悲哀」の感情の迫り方が、一層際立ちました。

全体的には、歌あり、踊りあり、笑いあり。
いのうえ節全開でした。
各キャラに見せ場が用意されてて、舞台上で、歌舞伎の見得のような動きをするのも、いのうえ流だよね(笑)

若村さんの見得(違う?)、めちゃくちゃかっこよかった。
麻実れいさんもステキだった〜。

木村了くんが面白イケメン枠で大活躍してて、殺陣もかっこいいし、笑えるセリフももらってて、涼くんがこのお芝居に出るとしたら、この枠だよなー、なんてぼんやり考えてました。
ストーリーの中でもちゃんと重要な役割だったし。

最高だったのは生瀬さん。
完全にお笑い枠だったのだけど、最後はちゃんとトップに立つものの覚悟と悲しみを表現して亡くなるの。ズルい(笑)
笑いの部分は、さーすーがー!!!ってニヤニヤしながら見てました。
初めて舞台で生瀬さん見たのが「祈りと怪物」のドン・ガラスで、あのときの生瀬さんはめちゃくちゃ怖くて、でもなんだか憎めないキャラで(まさに鉈切りの役に近い感じ)、しばらく変にドキドキしてしまったほどなんだけど、今回もまたさらに惚れましたわーw

来年春のねずみの三銃士、行く気満々になってます。

難点としては、やっぱりちょっと長いなーってのと、歌と踊りは「ん?」って思ったとこもあった。
2幕の途中で一瞬睡魔が。
まーそれも全部含めて、最後にわわわっと回収してくれましたので、終わった時は自然とスタオベ。
(下手のますだくんが気になって気になって仕方なかったことはヒミツw)

そうそう、秋山菜津子さんも改めてとてもよかったです。
「ドレッサー」の時に、すごくステキな女優さんだなと思っていたのだけど、今回もとてもステキでした。

とにかく、技量のデカイ、華のある役者さんをこれだけ揃えると、こーんなにすごいことになるのねってことと、その中心にV6の森田くんがいるってことの意外性を、存分に楽しませてもらいました。

連日、たくさんのジャニーズの子たちが観に来ていたみたいだけど、ジャニ色の薄い、観客ジャニオタ率の低い舞台で、拍手喝采を浴びる先輩の姿を見るのは、とてもいい勉強になったのではないかなーと思いました。

まさか客席にますだくんが来るとは思ってなかったので、そういう意味でも忘れられない舞台になりそうです。

演劇の神様に感謝。